よくある質問

「鍼って何に効くんですか?」

院長
院長

何にでも対応はできますが、何にでも効くかどうかはわかりません
もちろん鍼の効きかたも人それぞれです

 まぁ、99%の人が肩凝り・腰痛などの筋肉疾患と答えるでしょう。
私はこの現状がもっとも悲しいです。それは何故か・・・ だって考えてみてください、江戸時代位までの医学と言えば湯液(漢方薬)と鍼灸だったでしょう。それでどんな病気にも対処してきたんです。と言う事はどんな病気にも効くはずなんです。それが今は西洋医学以外は医学でない!! みたいな風潮ができ上がってしまっている。東洋医学は何でも治せます!! しかし、治せるはずなのですが、実際には治る人もあれば治らない人もある。これは治療師の腕と患者さんの体力、病気の重さなどで違うから、これは仕方のないことです。
 私は今「鍼は細胞を活性化する」と考えています。例えば血液の循環を例にとれば、鍼は血液循環を良くすると言われてますね。血液循環と言ってもいろいろとあって、大動脈も血管だし皮膚表面の極々細い毛細血管も同じ血管です。MRI,CTなどの検査で骨や血管の状態を調べる技術が進んでますが、全ての組織を写しだす事は不可能だし、またもし移ったら何が何だか判らなくなってしまいます(毛細血管が全部写ったら真っ白になるのでしょう)。
 鍼はその中でも特に微細な毛細血管、しいては細胞レベルの血液の受け渡しを良くするんじゃないかと思うんです。体の中には何万キロにもなるという毛細血管があると言われてます。小さくて目に見えない世界でいろんな事が行われています。そういうところに鍼は影響を与えている、実感としてそう思うんです。実際はそれら、例えば血液をスムースに流す働きは「気」なんですが、れこについてはまたの機会に書きます。

「鍼ってどんな人が効くんですか?」

院長
院長

その前に効きやすい人と、効きにくい人がいますが
こればっかりはやってみないとなかなかわかりません

 ま、効く人と効きにくいひとは、そりゃいるでしょうね。
 この場合、考えるべきことが沢山ありますね。まず、患者さんの年齢、お年寄りよりも若い人、特に子供の方がはるかに効きはいいですね。体力のある人は無い人よりも効きます。慢性病よりも急性病の方が効きます。つまり患者さん自身に体力があると(若い、相対的に元気な人など)効き目が現れやすいと思います。あくまでも傾向としてですけど。この辺は常識ですね。大事なのは次に話すこと、、。
 何よりも大切なことは患者さんが「素直で根気があって何とかして病気を治すぞっていう心意気をもっている」ことです。
 素直というのは、鍼の先生の言うことを素直に聞けるって事。また嘘でも治療に行っている期間は先生を信頼する、という事。たまにおられますが、「他で治療しても治らなかったんで来てみたけど、どうせここでも治らないんだろうな」って気持ちで来院する患者さん。「この先生(私は現在60才、前期高齢者!!)大丈夫かなぁ」って口には出さないけど、心で思っている人。 治療師を信じられないんじゃ、どんないい鍼をしてもダメですね。効果は激減しますよ。まずは先生を信頼してみることです。
 治療には根気がいります、特に他で治らなかったような病気を持っている人は、何カ月、長くなれば何年もかかることがあります。一度や二度の治療で治らないと、こりゃダメだ、とあきらめる人が多いんです。そんな簡単に病気が治ったら、日本中鍼灸院だらけになってますよね。少なくても3カ月くらいはだまされたと思って通ってみて下さい。 (すぐに良くなる患者さんも多いですよ、一応念のため・・・)
 それと、病気を治すのに先生を頼るのはいいですが、全く頼り切るのも良くないですね。自分の体は自分で治すぞって思い、毎日の生活を摂生して暮らす、これが大事なことです。鍼をして「よし、これで今晩は酒をたらふく飲めるぞ」なんて言うのはいけません。暴飲暴食、不規則な生活などをしていると治療効果も下がります。

「鍼って痛くないの?」

院長
院長

はい、おそらく何も感じません

 体に金属の鍼を刺す、何だか痛そうです。
 しかし、実際はそんなに痛いものではありません。
「そんなに・・」というからには少しは痛い? 
 鍼にもいろいろな種類がありますが一般的に言えば太い鍼よりも細い鍼の方が痛みは出にくいです。このHPの「治療のながれ」でも紹介していますが私の使っている鍼は、最も細い部類のものです。また刺す深さはゼロミリから数ミリで極めて浅く刺しますから痛みはほとんど無いと思います。
 しかし、それでも痛いと感じる人はいるもので、そういう場合は鍼は刺しません。刺さない鍼のことを「接触鍼」といいますが、鍼と言うものは不思議なもので刺さなくても治療はちゃんと出来てしまいます。何故刺さなくても効果が出るのかはここでは説明しませんが、鍼は刺さずとも効果が出ることだけは確かです。
 じゃあそんなに浅い鍼しかしないのか? と効かれれば「そんなことはありません」と答えないといけません。病む部位が深くて古いものなどの場合は太めの鍼を深く刺すこともあります。症状、体質などを考慮して鍼の深さは変化します。ただ、私の治療は接触鍼と数ミリまでの浅い刺鍼が基本となります。
 注射針、あれってすごく太いですね、あれと比べたら鍼灸の鍼なんて「へ」みたいに細いので、よほど技術的にひどい場合を除いては痛くは無い、と言っても間違いでは無いと思います。ただ、技術的な問題は鍼灸師の中でも当然大きな開きがあるため、「絶対に痛くはありません」とは言えませんが、、、。注射が平気であれば鍼灸の鍼は恐るるに足りません。そんなに心配しないで一度お近くの鍼灸院の扉を叩いてみてください。

「鍼には副作用はないのですか?」

院長
院長

正しい治療をしたのに体調がくずれる
というような副作用はありません

 薬には副作用が付き物です。胃に薬が入り消化して全身へと行き渡るのですから、作用としては全身に影響が出ます。ある病気になって薬を服用する、すると患部には当然薬の効果がでるのですが、同時に残りの大部分は他の正常な部分にも何らかの影響が出てしまうのです。これが「薬害」と言われるものですが、薬を「飲む」という行為を行う以上避けられないことでも有り、現代の医療の大きな問題でもあります。
 さて、鍼灸にはこのような副作用は無いのでしょうか??
薬害のような副作用は無いと言えると思います。正しく治療をする限り、その治療によって新たな病気が発生するということは考えにくいのです。ですから副作用については安心して鍼灸の治療を受けていただけると思います。

 但し・・・「誤治」という問題はあります。鍼灸に限らず経験その他により技術の差が大きくモノを言う医学(医術)には、おのずと治療師の力の差が生じます。駆け出しの治療師と大ベテランの治療師、不勉強な治療師と勉強を怠らない治療師、、、患者さんの治療においてその効果に当然差が出ます。鍼灸の古典書には何でも治せる人を「上工」とか「神工」と言い、かなりの病気を治せる人を「中工」、普通に治せる(?)人を「下工」と言っています。
 問題なのは下工です。不勉強であったり志が無かったりする医者のことですが、こういう人が誤治(誤った治療)を引き起こしてしまうのです。副作用とは意味合いが違いますが、患者さんを不幸にする点では同じです。例えば、体力も気力も落ちている患者さんに太い鍼でブスブスと深い鍼を刺して余計に体力を失わせたり、敏感な体質の患者さんなのに粗雑な鍼、乱暴な鍼をして気を乱し病気を悪化させてしまったりするのです。
 東洋医学は患者さん一人一人の体質、体力、感受性などをベースに病苦を取り除くべく細かい配慮をする医学です。適当に鍼をしている様に見えるかも知れませんが、頭の中はいつもくるくると回転しています。私の様な下工は毎日が勉強で反省反省の連続です。早く中工になれるようにいろいろと努力をしてはいますが、東洋医学の深遠な本質をつかむにはまだまだ時間が掛かりそうです。しかし、奥が深い分やりがいもあるし面白いのも事実です。

「鍼は毎日しても大丈夫?」

院長
院長

はい、大丈夫です
でも効率は悪いと思います

 どれくらいの間隔で治療したらいいですか? 毎日治療しても大丈夫ですか?とよく聞かれます。
これもよく質問されることです。しかし、なかなか答えずらい内容でもあります。病気の軽重、慢性病か急性病か、患者さんの年齢、体力、体質などで治療の間隔は変わります。また、つめて治療をした方が良い方も忙しくて来れない場合もあります。
 それでも大まかな傾向として急性病(最近急に起きた病気)の場合は日をあまり置かずに(毎日、一日置き、二日置き)治療すれば早く治りやすく、慢性病(何ヶ月、何年も前からの古い病気)の場合は毎日治療をするよりも一定の間隔(週に一度か二度、10日に一度など)である程度長い期間治療しないと改善されない事が多い様です。また同じような病気でもその病気の病理(病の成り立ちと過程)が違うので一概に治療間隔は言えないのが現状です。
 早く治したいから毎日治療したいという方もおられますが、鍼治療は副作用はありませんので大丈夫です。ただ毎日治療すればそれだけ早く治るかどうかはわかりません。
それは何故か?・・・鍼灸という治療は病気の起きている場所をやっつけるのではありません。患者さんの持っている「病を治す力」(免疫力・抵抗力)を助けて、その結果として病気を追い出すのです。局部的(膝が痛ければ膝を、腰が痛ければ腰を)にも治療はしますが、それがけでは治りが確かに悪いし治療効果の持続力も低いと思います。
 鍼の効き目と言う点では、鍼治療を始めて受けた方と長い間治療を受け続けている人では違いがあります。長い間鍼治療をしていると体の「気」の通路の通りが良くなるので同じ治療をしても効果はアップします。体質が改善したと言うほど大げさなモノではないにしろ鍼治療を通して体に元気が出てきているのではないかと考えています。
 治療を終えたら「あっ、楽になった」。そう言われれば治療師としては大変うれしいのです。しかし一晩経って朝になったらまた元のように痛かった、では何にもなりません。治療をするのですから治療直後は少しはよくなっているのは当たり前の事です。問題はその後です。「後効き(あとぎき)」という言葉があります。治療をした時にはその効果はよく判らないけれど、翌朝は少し良くなった。その次の日はもっと良くなった。こういうのを後効きといいます。こういう治療が出来るようになれば治療も一人前の仲間入りと言えるでしょう。